提瓶(ていへい、ひらべ)は、吊手があるのが特徴ですが、この吊手は鍵型が最も古く、
次に環状になり、段々と簡略化されて、この提瓶のようなボタン状になっていきます。円形貼付文(えんけいてんぷもん)と言うそうです。
実用の携帯容器から、装飾用途への変遷、もしくは最初から装飾用だった為、使わない吊手が簡略されていったということですね。
簡略化というよりも、より装飾の度合いが強くなり、デザインされていったとも言えるのではないでしょうか。
そうしたことから、この提瓶は、提瓶がつくられた終盤600年台前半(7世紀前半)のものと推測されます。
自然釉が残った風情ある佇まいで、投げ入れた花と提瓶がお互いを引き立てます。
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